インターネット引っ越し(回線の移転手続き)は、うっかり後回しにすると新居でネットが使えない空白期間が発生します。プロバイダや回線種別によって手順が異なり、工事が必要なケースでは1〜2ヶ月待ちになることも。この記事では、インターネット引っ越しの全体的な流れから、移転か新規かの判断基準、工事の要否、空白期間の回避策まで、具体的な目安情報とともに解説します。引っ越し日が決まったら、できるだけ早く手続きを始めましょう。
インターネットの引っ越し手続きの流れ

手続き開始は引っ越しの1〜2ヶ月前が鉄則
インターネット引っ越しの手続きは、引っ越し日の1〜2ヶ月前には動き出すのが理想です。特に光回線(フレッツ光・光コラボ)は工事日の予約が混み合う時期(3〜4月)には2ヶ月待ちになるケースも珍しくありません。まずは現在契約中のプロバイダまたは回線会社に「移転(転居)手続き」として連絡するところからスタートします。
連絡先はプロバイダのマイページや電話窓口が一般的です。フレッツ光の場合はNTT(0120-116-116)、光コラボ(ドコモ光・ソフトバンク光など)の場合はその事業者に直接連絡します。プロバイダと回線事業者が別々の場合、両方に連絡が必要なので注意しましょう。
手続きステップを整理する
インターネット引っ越しの手順は大きく4ステップです。①現在の契約内容・解約違約金の確認 ②移転可能かどうかの確認(新居エリア・建物種別) ③移転または新規申し込み ④工事日の予約・機器返却または移送、という流れになります。
集合住宅の場合、建物にすでに光回線の設備が入っている「マンションタイプ」ならVDSL方式やLAN配線方式が利用でき、工事不要や短期工事で済む場合があります。一戸建ての場合は屋外から引き込み工事が必要となるケースが多く、工事費の目安は1〜2万円程度(キャンペーン適用で無料になる場合も)です。
旧居での解約・機器返却タイミング
旧居側の回線は引っ越し当日または退去日をもって利用停止とするのが一般的です。レンタルのルーターやONUは指定の方法で返却(宅配便や郵送)が求められます。返却期限を過ぎると機器代として5,000〜25,000円程度の請求が来ることもあるため、引っ越し荷物とは別に管理しておきましょう。
また、引っ越し先で同じ機器が使えるかどうかは回線タイプによります。同一エリア内での移転でフレッツ光のままなら同じONUを持参できる場合がありますが、エリアをまたぐ場合や回線種別が変わる場合は新しい機器が送付されます。
移転と新規契約どちらが得か

移転手続きのメリットと注意点
同じ回線・プロバイダを引き継ぐ「移転手続き」のメリットは、契約継続によりメールアドレスやオプションをそのまま使える点です。また、新規契約と違い審査が不要なケースが多く手続きが比較的シンプルです。デメリットは移転工事費(目安5,500〜16,500円)が別途かかる場合があることです。
光コラボ各社では移転手続き時に「移転工事費無料キャンペーン」を行うことがありますが、適用条件(対象エリアや時期)が異なるため、申し込み前に必ず確認が必要です。
新規契約のほうが得なケースを判断する
現在の契約の最低利用期間が終了していて違約金が発生しない場合や、他社の新規キャンペーンが大幅に有利な場合は、あえて新規契約に乗り換えるほうが総コストを抑えられます。下表で移転と新規の主な違いを比較しました。
| 比較項目 | 移転手続き | 新規契約(乗り換え) |
|---|---|---|
| 違約金 | 発生しない | 最低利用期間内は発生(目安1〜3万円) |
| 初期費用 | 移転工事費のみ(目安5,500〜16,500円) | 事務手数料+工事費(目安2〜3万円) |
| キャッシュバック | なし〜小額 | 1〜5万円程度のキャンペーンが多い |
| メールアドレス | 継続利用可 | 基本的に変更が必要 |
判断の目安となる3つのチェックポイント
①違約金の金額、②新規キャンペーンの還元総額、③メールアドレスの切替が許容できるか、の3点で判断するとスムーズです。違約金を差し引いても新規キャンペーンの還元が上回る場合は、乗り換えを選ぶのが経済的合理性が高いといえます。
ただし、キャッシュバックは受け取り時期が「開通後6〜13ヶ月後」など後ズレするケースが多いため、申請忘れリスクも念頭に置きましょう。
工事が必要なケース

工事の有無を決める2つの要素
インターネット引っ越しで工事が必要かどうかは、「①建物種別(戸建て/集合住宅)」と「②建物への光ファイバー引き込み状況」で決まります。戸建ての場合は新規引き込みが必要なことが多く、立会い工事が必須です。集合住宅の場合でも、マンション全体への光設備がない建物では管理組合への交渉から始まるケースもあり、数ヶ月単位の時間がかかることがあります。
工事は平日昼間が基本で、立ち会いが必要です。引っ越し直後は日中在宅できないケースも多いため、工事予約は引っ越し日前後の休日を狙って早めに押さえるのが賢明です。
工事不要で使える回線の選択肢
工事なしで使える代表的な選択肢は「ホームルーター(置くだけWi-Fi)」です。ドコモのhome 5G、ソフトバンクのAirなどが代表例で、コンセントに挿すだけで使えます。月額料金の目安は4,000〜5,500円程度で、光回線と大きく変わらない場合もありますが、速度や安定性は光回線に劣ることがあります。
また、マンションにすでにLAN設備が導入済みの場合は、管理会社に確認するだけで即日〜数日でネットが使えるケースもあります。引っ越し先が決まったらまず管理会社へ問い合わせましょう。
工事費の実費負担はいくら?
NTTフレッツ光の標準工事費は戸建てで19,800円(税込)、マンションで16,500円(税込)が目安です(2024年時点)。ただし多くの光コラボやプロバイダが工事費実質無料キャンペーンを実施しており、分割分が月額割引で相殺される形が一般的です。割引期間中に解約すると残額を請求されるため、最低利用期間の確認は必須です。
追加工事(宅内配線の延長など)が必要になると別途費用が発生することがあるため、工事当日に作業員に確認しながら進めましょう。
ネットが使えない空白期間を防ぐ

空白期間が発生する主な原因
インターネット引っ越しで空白期間が発生する最大の原因は「工事日の調整遅れ」です。3〜4月の引っ越しシーズンは工事業者が集中し、申し込みから開通まで最長2ヶ月待ちになるケースもあることが報告されています。旧居の解約日と新居の開通日のズレが空白期間の実態です。
また、移転手続きと旧居の解約手続きを別々に行い、どちらかが先行してしまうことも原因になります。プロバイダへの連絡は「移転」として一本化し、旧居解約日=新居開通日に合わせるよう調整を依頼しましょう。
空白期間中のつなぎネット手段を比較する
空白期間のつなぎ手段として現実的なのは以下の3つです。①スマートフォンのテザリング(追加費用なし〜月1,000円程度で容量追加)、②モバイルWi-Fiルーターのレンタル(1日300〜700円目安)、③ホームルーターを先行契約して光開通後に解約(違約金に注意)。テレワークや動画視聴が多い場合はレンタルWi-Fiが最もコスパが良い選択肢になります。
モバイルWi-Fiレンタルは最短1日から借りられるサービスもあり、引っ越し日前日から返却まで使えるため、短期間の空白期間対策として特に有効です。
空白期間を最短にするスケジュール管理のコツ
引っ越し日が決まったタイミングで、インターネット引っ越しの手続きと工事希望日の第一候補を押さえることが重要です。工事日は引っ越し日当日か翌日を第一希望として申し込み、万が一その日に取れなければ暫定的にモバイルWi-Fiを予約しておく、という二段構えが効果的です。
工事予約後はリマインダーを設定し、前日の確認連絡も忘れずに。工事のキャンセルや日程変更は前日前日16時までに行わないとキャンセル料(5,500円前後)が発生する場合があります。
乗り換えで安くなる場合
引っ越しは乗り換えの絶好タイミング
インターネット引っ越しのタイミングは、回線を見直す絶好の機会です。特に最低利用期間(2〜3年)が満了している場合は違約金なしで乗り換えられるため、より条件の良いプランへ移行するチャンスです。スマートフォンのキャリアと光回線をセットにすると月額割引が1,000〜1,100円程度受けられる「セット割」は特に節約効果が大きいです。
例えばドコモユーザーならドコモ光、ソフトバンクユーザーならソフトバンク光、auユーザーならauひかりのセット割を活用することで、回線料金と携帯料金を合わせた総支払額を年間1〜2万円程度削減できる可能性があります。
キャンペーン比較で見落としやすいポイント
乗り換えキャンペーンでは「キャッシュバック額」が前面に出ますが、比較すべきは①月額料金×利用期間の総コスト、②キャッシュバックの受け取り条件と時期、③セット割の有無、の3点です。一見お得に見えるキャッシュバック1万円でも、月額料金が500円高ければ20ヶ月で相殺されます。
代理店経由の申し込みは公式サイトより高額なキャッシュバックが設定されていることが多いため、公式と代理店の両方を確認する手間を惜しまないことが大切です。ただし代理店によってサポート品質が異なる点も念頭に置きましょう。
安さだけで選ばないための回線品質チェック
料金だけで選ぶと「新居エリアに対応していなかった」「速度が遅すぎた」というトラブルにつながります。契約前に各社の公式サイトで住所を入力してエリア確認を行い、口コミサイト(みんなのネット回線速度など)で実測値も確認しましょう。
特に集合住宅は同じマンション内でVDSL(最大100Mbps)とLAN配線(最大1Gbps)が混在していることがあります。どの方式が適用されるかを事前に問い合わせておくと、契約後の速度不満を防げます。
インターネット引っ越しに関するよくある質問(FAQ)
Q. インターネットの移転手続きはいつまでにすればいいですか?
A. 引っ越し日の1〜2ヶ月前が理想です。3〜4月の繁忙期は工事予約が2ヶ月待ちになることもあるため、引っ越し日が決まった時点で即動き出しましょう。
Q. 引っ越し先でネットが使えない期間はどう乗り切ればいいですか?
A. モバイルWi-Fiのレンタル(1日300〜700円目安)かスマートフォンのテザリングが現実的です。数日〜2週間程度の短期なら前者がコスパに優れます。
Q. 光回線の移転工事費はいくらくらいかかりますか?
A. フレッツ光の場合、戸建てで19,800円・マンションで16,500円(税込)が目安ですが、多くの光コラボで工事費実質無料キャンペーンが提供されています。
Q. 引っ越しのタイミングでプロバイダを乗り換えるデメリットはありますか?
A. 既存のメールアドレスが使えなくなる点と、最低利用期間内の場合に違約金(1〜3万円程度)が発生する点が主なデメリットです。